就労移行支援と就労継続支援A型・B型の違いを比較

就労移行支援と就労継続支援A型・B型の違いを比較 就労支援

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結論:3つの違いは「目的」「雇用契約の有無」「給料の水準」

就労移行支援は一般企業への就職に向けた訓練の場、A型は雇用契約を結んで働く場、B型は雇用契約を結ばずに通所して作業や生産活動を行う場です。
令和6年度の平均月額は、A型が91,451円(賃金)、B型が24,141円(工賃)です。
どれが合うかは本人の状態と目的で決まります。次の一歩は、市町村の障害福祉窓口への相談と事業所見学です。

3サービスの早見表

比較軸 就労移行支援 就労継続支援A型 就労継続支援B型
目的 一般企業への就職に向けた訓練 雇用契約に基づく就労 通所による就労・生産活動の機会提供
対象者 就労を希望する65歳未満で、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる人 一般企業に雇用されることが困難で、雇用契約に基づく就労が可能な人 一般企業に雇用されることが困難で、雇用契約に基づく就労が困難な人
雇用契約 【要確認: 事業所との契約形態は利用前に事業所へ確認】 あり なし
収入の種類 【要確認: 訓練中の工賃・手当の有無は事業所ごとに確認】 賃金(事業所に最低賃金の支払い義務あり) 工賃
平均月額(令和6年度) ― 91,451円 24,141円
利用期間 標準期間24ヶ月(条件を満たせば最大1年の更新あり) 【要確認: 期間の定めの有無は市町村窓口で確認】 【要確認: 期間の定めの有無は市町村窓口で確認】
向いている人 一般就労を目指し、準備期間が必要な人 雇用契約のもとで働くことはできるが、一般企業では難しい人 体調や特性から、雇用契約での勤務が難しい人

根拠として断定できること

  • A型は雇用契約を締結する事業で、事業所は利用者に最低賃金を支払う義務があります。B型は通所により就労や生産活動の機会を提供し、雇用契約は結びません(厚生労働省 報酬改定検討チーム資料、平成29年9月13日)。
  • 平均月額は厚生労働省の令和6年度工賃(賃金)実績によるもので、A型が91,451円、B型が24,141円です。A型は前年度(令和5年度)の86,752円を上回りました。
  • 上の金額は全国の事業所の平均です。個人の収入は事業所や働く日数によって変わります。

3つは「ステップアップの順番」ではない

移行支援からA型、B型からA型へと進む段階式のサービスではありません。自分の状態と目的に合わせて選ぶものです。

障害福祉サービスを使い始めるときの相談先は市町村の窓口です。申請の手順は後半の「相談から利用開始までの流れ」で説明します。

対象者・利用条件の違い:誰がどのサービスを使えるのか

就労移行支援の対象者

就労移行支援の対象は、就労を希望する65歳未満の障害者で、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる人です(厚生労働省 事務処理要領、平成26年4月1日最終改正)。

65歳以降も使える場合があります。65歳に達する前5年間に障害福祉サービスの支給決定を受けていて、65歳に達する前日に就労移行支援の支給決定を受けていた人は、65歳以降も引き続き利用できます(令和2年9月24日の報酬改定検討チーム資料)。

A型・B型の対象者

厚生労働省の「障害者の就労支援対策の状況」では、対象は次のように整理されています。

  • A型:一般企業に雇用されることが困難で、雇用契約に基づく就労が可能な人
  • B型:一般企業に雇用されることが困難で、雇用契約に基づく就労が困難な人

両者の差は、雇用契約を前提にした働き方ができるかどうかです。

「困難」の判断は手帳の等級だけでは決まらない

障害の程度や手帳の等級だけで、使えるサービスが決まるわけではありません。支給決定を行うのは市町村です。厚生労働省の「サービスの利用手続き」ページによると、次の要素を勘案して決定します。

  • 心身の状況
  • サービス等利用計画案
  • 本人の利用意向
  • 訓練・就労に関する評価

「自分はA型かB型か」を自己判断で決め込まず、評価や面談を受けたうえで決まる点を押さえておいてください。

年齢・手帳・書類は自治体運用を確認する

  • A型・B型の年齢要件:【要確認: 市町村窓口で確認】
  • 障害者手帳がなくても利用できるか:【要確認: 市町村窓口で確認】
  • 診断書や意見書など、必要書類の扱い:【要確認: 市町村窓口で確認】

障害者手帳の種類(補足)

  • 身体障害者手帳:重度の側から1級〜6級。7級の障害は、1つのみでは手帳交付の対象になりません。
  • 精神障害者保健福祉手帳:1級〜3級。
  • 療育手帳:国の通知上は重度「A」とそれ以外「B」の2区分です。法的位置づけはなく、各自治体が自治事務として運用しています。そのため、区分の名称や判定の仕組みは自治体で異なる場合があります。

給料・利用期間・費用の違い

給料:A型は賃金、B型は工賃

A型は雇用契約があるため、労働者として最低賃金が適用されます。最低賃金は原則として、雇用形態や呼称を問わず事業場で働くすべての労働者が対象です。

ただし、精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い人などには、使用者が都道府県労働局長の許可を受けた場合に限り、減額特例が認められます。平成20年7月1日施行の改正最低賃金法で、従来の適用除外制度は廃止され、減額特例制度に改められました。

B型は雇用契約がないため、受け取るのは賃金ではなく工賃です。平均月額は24,141円で、A型との差は大きく、A型の平均はB型の約3.8倍です。ただし働く日数や時間、作業内容は人によって違います。見学時に、自分が通う想定の日数・時間での月額の目安を聞いておくと比較しやすくなります。

利用期間:就労移行支援には期限がある

就労移行支援の利用期間は、利用者ごとに標準期間(24ヶ月)内で設定されます。市町村審査会の個別審査を経て必要性が認められた場合に限り、最大1年間の更新ができます。

2年程度で就職を目指す前提のサービスなので、期限を意識して計画を立てることが大切です。A型・B型の期間の扱いは【要確認: 市町村窓口で確認】としてください。

費用:所得に応じた月額上限がある

障害福祉サービスの自己負担は、世帯の収入状況に応じた月額上限があります。月のサービス利用量が多くても、上限を超える負担は生じません(厚生労働省「障害者の利用者負担」)。

区分 月額上限
生活保護世帯 0円
市町村民税非課税世帯 0円
市町村民税課税世帯(所得割16万円未満):一般1 9,300円
上記以外:一般2 37,200円

所得を判断する世帯の範囲は、18歳以上の障害者(施設に入所する18・19歳を除く)の場合、障害のある本人とその配偶者です。実際の自己負担額は、お住まいの市町村の決定内容で確認してください。

自分に合うサービスの選び方

目的で絞る

  1. 一般企業への就職を目指していて、準備に時間をかけたい → 就労移行支援が第一候補です。働くための生活リズム、職業スキル、就職活動の支援を受ける場として使います。
  2. 雇用契約のもとで働けるが、一般企業は難しい → A型を検討します。賃金が最低賃金を基準に支払われます。
  3. 体調や特性から、雇用契約での勤務が難しい → B型を検討します。通所のペースを作りながら、作業や生産活動に取り組めます。

どれにも当てはまりそうで迷う場合は、市町村窓口や相談支援事業所での評価を受けてから決めてください。

事業所見学で確認したい項目

  • 1日の流れ、通所日数・時間の調整のしやすさ
  • A型・B型:賃金・工賃の月額の目安と算定方法
  • 就労移行支援:就職後6か月以上の定着率。基本報酬は定着率に応じて1日あたり479単位から1,210単位まで区分されており(定員20人以下の場合)、事業所の就職・定着の実績を質問する根拠になります。
  • 体調が悪い日の連絡方法や配慮の内容

一般就労後の支援:就労定着支援

就労移行支援や就労継続支援などを経て一般就労へ移行した後は、就労定着支援を使える場合があります。対象は、就労に伴う環境変化により日常生活または社会生活上の課題が生じている人で、一般就労後6月を経過した人です。利用期間は最大3年間で、期間の経過後は必要に応じて障害者就業・生活支援センター等へ引き継がれます。

支援内容は、相談を通じた課題の把握と、企業や関係機関との連絡調整などです。具体的には、自宅・企業等の訪問により月1回以上の対面相当の支援を行い、月1回以上の企業訪問に努めることとされています。

なお、民間企業の障害者の法定雇用率は、令和8年7月1日から2.5%が2.7%に引き上げられ、施行済みです(現在は2.7%)。障害者雇用義務の対象は、同月から常用雇用労働者数37.5人以上の事業主です。一般就労を目指す場合の制度的な背景として知っておくと役立ちます。

相談から利用開始までの流れ

  1. 市町村の障害福祉窓口に相談する:利用したいサービスや、現在の状況を伝えます。
  2. 支給申請を行う:利用を希望するサービスの種類ごとに、市町村へ支給申請します。
  3. 申請書類を提出する:支給申請書(様式第1号)に、負担上限月額の算定に必要な書類を添えます。すでに支給決定を受けている場合は、障害福祉サービス受給者証などを添付します。
  4. 市町村が支給決定を行う:心身の状況、サービス等利用計画案、利用意向、訓練・就労に関する評価などを勘案して決まります。
  5. 事業所と利用の調整をする:見学や体験を経て、通う事業所を決めます。

認定調査の内容、手続きにかかる期間、受給者証の交付時期、事業所見学・体験と申請の前後関係は自治体や事業所で異なる場合があるため、【要確認: 市町村窓口で確認】としてください。見学は申請前でも相談できる場合があるので、窓口で確認すると早く進められます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 就労移行支援を使ってから、A型・B型に進む決まりはありますか?

決まりはありません。3つは順番に進む段階式のサービスではなく、自分の状態や目的に応じて選ぶものです。

Q2. 障害者手帳がなくても利用できますか?

手帳の有無で利用可否が決まるのか、必要書類は何かは、自治体の運用で異なる可能性があります。【要確認: 市町村窓口で確認】

Q3. 利用料はいくらかかりますか?

世帯の収入状況に応じた月額上限があります。生活保護世帯と市町村民税非課税世帯は0円、課税世帯(所得割16万円未満)は9,300円、それ以外は37,200円が上限です。実際の区分は市町村の決定で確認してください。

Q4. 65歳を過ぎても就労移行支援を使えますか?

就労移行支援の対象は原則65歳未満です。ただし、65歳に達する前5年間に障害福祉サービスの支給決定を受けていて、65歳に達する前日に就労移行支援の支給決定を受けていた人は、65歳以降も引き続き利用できます。

Q5. 就職した後の相談先はありますか?

就労定着支援があります。就労移行支援や就労継続支援などを経て一般就労へ移行し、就職後6月を経過した人が対象で、最大3年間の利用ができます。期間後は、障害者就業・生活支援センター等へ引き継がれる場合があります。

Q6. A型の賃金は必ず最低賃金以上ですか?

A型の事業所には最低賃金の支払い義務があります。ただし、使用者が都道府県労働局長の許可を受けた場合に限り、著しく労働能力の低い人などに減額特例が認められています。個別の取り扱いは、事業所と労働局の所管で確認してください。

次の一歩

制度の詳細や最新の運用は、必ず市町村窓口や厚生労働省などの公的な一次情報で確認してください。まずは「就職に向けた訓練(移行支援)」「雇用契約で働く(A型)」「雇用契約なしで通う(B型)」のどれが自分の状態に近いかを1つ選び、市町村窓口への相談と事業所見学の日程を決めましょう。

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